美食倶楽部――。
30代以上の人は誰しも憧れたでしょう。(大げさ)
火曜日の夜7時半、テレビで大暴れする海原雄山が楽しみでした。
ハンバーガーを親のかたきのように罵倒したり!皿を割ったおばちゃんに「死ね!」と直球を浴びせたり!とやりたい放題です。
しかし、雄山の魅力は傍若無人なふるまいではなく人間の大きさです。
中でも「究極VS至高」の低予算披露宴対決のスピーチは感動モノ。
貧しい新婚時、亡き妻がありあわせの材料で作った料理を再現し、思い出を語ります。
「この料理はみすぼらしい。しかし、私には高価な山海の珍味を集めたどんなご馳走より価値がある。(中略)私はこのみすぼらしさを若いふたりに贈りたいのだ。 その中に、真の豊かさを包み込んだこのみすぼらしさ、を」
雄山かっけぇーー!!となるとともに、「和食はなんかこわい」(いつも怒ってるし)という記憶が、中学生の僕に刻まれたのでした。
前置きが長くなりました。
「本格的な和食はなんか敷居が高い」と思う人も多いでしょう。
そんな常識(思い込み?)をくつがえす場所が八戸にはあるのです。
八戸駅東口から徒歩30秒。
コスパ最高でプチ贅沢にぴったりの本格和食店。
「炭火焼とめし ほむら」は知る人ぞ知る名店です。
メニューはなし。オーダーは6000円~のおまかせコースのみ。
店主の小笠原一芸さん。「魚も野菜も肉も、八戸は食材の宝庫」だそうです。
食材が最もポテンシャルを発揮できるよう、旬に合わせて美味しいものはそのまま、手をかけてもっと美味しくなるものは丁寧な仕事で仕上げます。
めっちゃ敷居高そう!!ですが、そんなことはありません。
取材した日は姉夫婦、僕と妻に加え、一歳の長女で行きました。(長男はお泊まり保育)
カウンターのほかに座敷があり、幼児もオッケーです。
もちろん騒がしくしないなどマナーを守る必要はありますが、小笠原さんも従業員の方も、幼児用の食器を持ってきてくれたり、赤ん坊をあやしてくれたり、とってもやさしいです。
酒のラインナップはこんな感じ。
この日はぜいたくしよう!と、思い切って一万円でコースをお願いしました。
一皿目はホタテとクラゲのおつくり、梅肉のジュレがけ。
さっぱりして梅肉とあっさりしたクラゲがぴったり。ホタテの甘みが際立ちます。
まず「八仙」の黒ラベルで乾杯。
二皿目はアナゴと白和えの蒸しもの。
アナゴは脂がのっているし、かかっているダシがとにかくうまい。赤ちゃんも気に入ったようで、白和えをほとんど食べられました。
酒も進む。姉夫婦は宮城県の「ひと夏の恋」をチョイス。僕は田酒。
三皿目は刺身の盛り合わせ。ツブ、アオリイカ、自家製しめさば。旬のホヤも。
ツブのこりこりした食感がたまりません。
次は「鳩正宗」。ごめんなさい、このへんから酔って写真がだんだん適当に。。
お腹が満たされてきた四皿目はウニの天ぷら!
旬をむかえたウニを大葉で巻き、半生に揚げてあります。
外はサクッと、中はとろーり。幸せだ―!
「山形政宗 夏の純米」「菊鷹」。姉夫婦もできあがりました。
赤ん坊は店にあった石垣島の楽器で遊んで楽しそう。
五皿目はノドグロ!と八戸産和牛のステーキ!煮バイ貝!の三点盛り合わせ。
炭火で焼き上げたノドグロは皮がパリパリで脂がしたたる。
焼きあがったらすぐ出てくるので最高に食べごろ。
まだ終わらない!六皿目はウナギとナスの煮びたし。
もう腹いっぱい。だけどうまい。。。
「炭火とめし」だけにシメはもちろん土鍋で炊いたご飯です。
きょうはタコと枝豆のごはん。ふたを開けると炊き立ての香りが最高!
幼児もパクパクご飯を食べます。とても食べきれないのでお土産に。
最後は自家製のキウィアイスをお茶で流し込み、大満足の宴が終わりました。
小笠原さんは店を開いて15年になるそうです。
調理師学校を卒業後、東京やオーストラリア、仙台の懐石料理店で修業。
帰郷して八戸の懐石料理店を経て、一国の主となりました。
東京などから食べに来る人も多数。外国人も多いそうです。
お客さんのうち、近隣の人は半分、遠方からが半分です。
食通にとても高い評価を受けていますが、なるべく入りやすい店にしたいそう。
「日本人が昔から食べてきた和食をたくさんの人に楽しんでもらう」ことがモットーで、いろいろな人に気軽に来てほしいそうです。
メニューはありませんが、「一時間で2~3品を食べたい」というオーダーでも大丈夫。
接待はもちろん、一人でも家族でもカップルでも、気軽に本格和食が楽しめます。
必須ではありませんが、来店時は電話予約がおススメです!
「炭火焼とめし ほむら」
【住所】八戸市一番町1丁目1-30
【電話】0178-27-2632
【営業時間】17:00~
【定休日】不定休
【食べログ】https://tabelog.com/aomori/A0203/A020301/2000619/
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