むつ食品のチキンカツ!考案者に聞いてみた

「むつ食品のチキンカツ」

この八戸のソウルフードを知らない地元の人は、ほぼいないのではないだろうか。

中学生の時に「むつ食品のチキンカツ」に出会って以来、「むつ食品」の惣菜の虜になり、高校生の時は、1日500円のお小遣いを握りしめ、当時50円~110円だったむつ食品のフライシリーズを毎日と言って、過言ではないほど食べまくっていました。
育ち盛りの高校時代は、むつ食品のフライと母親が作ってくれたおにぎりで胃袋を満たしていました。
八戸市内の高校に通っていたみなさんもそうだったはず!

今回は、チキンカツがどのように誕生して今に至るのか、を社長の岩舘陸奥子(以下、むっちゃん)さんに聞いてきました。
こちらが、チキンカツの考案者である社長のむっちゃん

むつ食品の前身は、昭和49年に開店したお肉屋さん。
自己資金50万円と金融機関から融資で50万円、合計100万円で商売を始め、はりきって開店したが、、

あれ?

電話がない。。(爆笑)

電話がないまま商売を始めたそうです。隣が洗濯屋さんだったそうで、洗濯屋さんの電話をかりて、業者さんに仕入れの注文をしたり、お客さんからの電話を取り次いでもらったそうです。その後、当時車屋さんに勤めていた旦那さんのボーナスでようやく電話を買ってもらって順調に業績を伸ばしていきました。

当時は、お肉が飛ぶように売れていましたが、近くに大型スーパーが開店するとお肉が全く売れなくなり、余ったお肉を「さあどうしようか?」ということで、焼き鳥を売り始めました。そうすると焼き鳥が大人気。売れて売れて売れまくったそうです。当時は、お盆と正月にも注文が殺到して、従業員を休ませて、むっちゃんがほぼひとりでお店を運営し、24時間寝ずに仕事をした時もあったそうです。

その後、昭和63年2月17日に法人化し、むつ食品が誕生。法人化に伴い、代表がむっちゃんの旦那さんになりました。

社長である旦那さんは、方向性やメニューを考える係、むっちゃんは旦那さんが示した方向性に合わせて動き、メニューを具現化していく係で、夫婦二人三脚でチキンカツの名声を高めていきました。

むつ食品の名前の由来は?

岩館ストア、岩館食品だとなんかパッとしないから、岩館陸奥子(むつこ)から「むつ」をとって、「むつ食品」としました。むつ市の人ですか?とよく言われます(笑)

なぜ、チキンカツが生まれたのですか?

ソースや醤油などの調味料をつけずに片手で手軽に食べられて、安くて、お客さんがお腹いっぱいになるものはないかと考えました。鶏肉が豚肉より安く、鶏肉の中でももも肉より胸肉が安い。この胸肉を使ってレシピを考えました。味付けして食べると唐揚げみたいになるし、それにパン粉をつけても小さくてボリュームがない。そこで、キャベツ、人参、椎茸を入れてボリュームアップして、フライにして揚げたら大ブレイクでした。衣にも下味をつけて工夫をしています。今は、価格を抑えるためにキャベツのみになっています。

 

チキンカツは1日どのくらい作っているのですか?

1日に4000個くらいです。光星高校では、1日1000個売れたこともありました。ある高校の生徒が、お店に買いに来たときに、チキンカツ御殿だ!」と言われたこともありました(笑)前日にある程度、仕込みを終えて、納品当日は朝の4:30から約25名のスタッフで作り始めます。

チキンカツの他にもむつ食品ならではのフライシリーズを教えてください。

お好みフライグラタンフライメンチフライです。グラタンフライについては、最初は麦かっけを平たく伸ばして、グラタンを入れて揚げたが、すごく手間がかかった。試行錯誤していたら、春巻きの皮がにいきついて、グラタンを春巻きの皮に包んで揚げてみたらすごく美味しかった。

チキンカツはどこで買えますか?

むつ食品の田面木本店、白銀台店、階上石鉢店、さくら野、ミニストップ(八戸市内)、よこまちストア、セプドール、シルバーフェリーターミナル、八戸市役所の地下売店、カブセンター、城北病院、労災病院、平和病院、西病院で買えます。今は、減ってしまったが、市内の高校6校でも扱っています。

高校の売店で「むつ食品」と出会って、リピートするお客さんが多いと思いますが、味はもちろん、むっちゃんやスタッフの皆さんの人柄もいいですよね!その人柄もあって、今も人気だと思いますが。

高校の売店では、店頭で買う価格より安く提供してます。昔から生徒からは儲けないと決めています。高校を卒業してもまた食べてねという思いでやってます。ありがたいことに高校を卒業してもみんな買いに来てくれる。そして、当時の生徒が就職した先で、お弁当やケータリングの注文をしてくれる。本当にありがたいです。5年くらい工期がある大きい工事現場から声がかかって、毎日、現場でお昼ご飯を売ってほしいという要望があり、本当に大きい現場だったのよ。工事現場で働く人たちって、お昼は決まって配達のお弁当。正直言って飽きますよね。全国各地から単身で八戸のために大きな仕事をしてくれているみなさんに、お昼ご飯は温かい、できたてのものを食べてもらいたいと思い、厨房機器のない工事現場の一角に炊事場を設け、毎日、お弁当やラーメン、カレー等を販売しました。もちろんチキンカツも。100円のミニカレールーが人気で、お弁当を持参している人は、お弁当のご飯に少しだけカレーをかけて、食べていました。このお話も高校生の時にチキンカツを食べていた生徒が、ゼネコンに就職して、思い出してくれて依頼があったの。本当にありがたい話です。

高校生の胃袋をつかんできたむつ食品、これからは?

高校生のときに学校の売店でいつも買ってくれた生徒の顔は、ほとんど覚えているのよ。だから卒業して社会人になってお店にきたときに「あんた、大杉平の高校だよね」とか、話しかけると「え!覚えてるんですか」ってびっくりされる(笑)何歳になってもチキンカツを食べて育った人はわかるのよ。(笑)これからも一生涯愛される惣菜を作っていきたい。細く長〜〜くやってくよ(笑)

終始、笑顔で楽しそうに話しているむっちゃん、仕事が好きで、人が好きなんだろうなと思いました。取材中も注文の電話や業者さんの営業が、ひっきりなしにきて、むっちゃんが対応していました。

高速道路のインターや八戸駅からも近いこともあり、帰省のたびに寄って、お土産として買っていくお客さんも多いんだとか。

旦那さんは、病気で他界しましたが、息子さん、娘さん、お孫さんがお店を手伝っており、チキンカツは永遠に不滅です。

むつ食品田面木本店の店内です。

むっちゃんが作る愛情たっぷりのお惣菜もいろいろあります。

創業当初から大人気の焼き鳥。餃子もめちゃうま

ベーコンエッグカツサンドもうまい!

ジャジャメンも人気商品です

チキンカツお好みフライメンチフライグラタンフライ

ともに1個180円

まだ一回も食べたことのない方、あ〜懐かしいと思った方、ぜひどうぞ!

「むつ食品」

青森県八戸市田面木字エヒサ沢1−69

0178−44−4819

 

4 COMMENTS

いっせい いっせい

ぼんちゃんさん
そうですよね〜!パンはチャパティさんのパンですよね〜!チョコチップのパンを思い出します!

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アバター もいてつ

俺はお好みフライ派です。
お好みフライが売り切れの日は、工大一の売店でもチキンカツ若しくはグラタンフライを購入してましたよ✨毎日

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いっせい いっせい

もいてつさん
お好みフライ美味しいですよね〜!
これが食べたいって決めて売店にいって、売り切れてた時は大ショックでした 笑

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