「里帰り子育て」やってみた

今日は、自分たち家族の話をしてみようと思う。

題して「里帰り子育てやってみた」

この「里帰り出産」ならぬ「里帰り子育て」は私の造語だが、
私たち家族の在り方を一番しっくり表現している気がして使ってみる。

まずは私たち家族の紹介。

3人で撮った写真って案外少ない。これは夏に行った沖縄のホテルにて。

私(33)
東北町出身。大学進学と共に東京に出て、
人材系企業に新卒入社。約10年勤務して昨年6月末で退職。
7月からフリーランスとなり地元企業の社外人事として仕事をしている。

夫(33)
埼玉県出身。ずっとトカイで育つ。
私と彼は同じ会社の同期で、夫は4年弱で退社し
現在は自分で経営コンサルティング会社と飲食事業会社を経営している。

息子(2)
2017年12月生まれ。八戸市民病院で誕生。
最近2歳になり、日に日にやんちゃ度合いを増している。
今日も顎をテーブルに強打して打撲を作った。

息子は夫のことを名前で「りょた(亮太)」と呼ぶ。息子が最初に覚えた言葉はまさにりょた。夫と一緒の時にはママの優先度が下がる。笑

そんな私たちは、昨年2月に一緒に暮らす東京都練馬区から
私と息子…東北町の実家へ
旦那…より都心の賃貸へ
と、引っ越しをし、今は月に1~2回程度東京と青森を行き来している。
いわゆる「2拠点生活」だ。

当初、この家族の体制を作ったきっかけは、育児休業中だった時期に私の母の病気だった。
辛い治療が半年ほど続くことが分かり、
一緒に闘病するために息子と実家暮らしを始めた。

東京と青森。いくらネットワーク環境が改善し、LINEやテレビ電話でより気軽に人と繋がれるようになっても
私はやはり不安だった。
もしも病状が悪化しても母がLINEで「元気だよ」と言い
テレビ電話で明るくふるまわれたら、本当は病状が悪化していたとしても分からないだろうな、と。
それは嫌だった。母の近くで日々の変化を把握し、
少しでも細かなケアをしたいと思った。
幸いにも夫がこの私の気持ちを尊重してくれ、
しばらくの間(2~3年位と話しているが未定)、青森と東京での2拠点暮らしがスタートした。

その甲斐あって母は今現在病状も落ち着いており、昨年夏から仕事復帰し、
私も勤めていた東京の会社を退社し、フリーランスを開始した。
仕事のペースも掴めつつある今、約1年のこの「里帰り子育て」を振り返ってみようという気になったので
これを書いている。

この記事で私が伝えたいのは、
子どもを産む時だけ里帰りするのではなく、
しばらく大きくなる前頃まで里帰りで育てる「里帰り子育て」、
めちゃくちゃいいよ!ということだ。
都会でワンオペ育児に苦しむすべてのママにお伝えしたい。
(もちろん、里帰りしたところで実家の親と子育てするのは現実的に不可能
という人もいるだろうし、事情は人それぞれなので一概にいうことはできないのは理解しています。
あくまで「我が家の場合は良かった」という個人的感想です)

お勧めしたい理由①
悲惨な保活から解放される

もはやこれが最大の理由だけれど、ここから解放されたのは気持ち的に全然違う。

私は当初、育休終了後は子どもを1歳3ヶ月となる4月で保育園に預け、
勤めていた会社に復帰する予定だった。
そのため、当時住んでいた練馬区の保育園へ入園希望書類を提出し審査を受けた。
私が提出した当時の練馬区は、比較的都心からも近い割に保育園の数も駅周辺に多く
保育園に入りやすいと言われていた。(妊娠が判明した後にそのために中野区から引っ越した)

保育園の書類には第12希望位まで記載する必要があった。
正直、12個も希望はしなかったし、第6希望位から自宅の立地上駅の反対側になることから
見学もしなかったし、心の底から希望はしていなかった。
でも書かなければ入れないと思っていたので最大迄記入し、実際に入園承諾が下りたのは第9希望位だった!
入れない家庭がある中で、入れただけでも幸いだったが、
もしもその園に預け仕事復帰をしていたら、
毎日都会のママの必須アイテム電動自転車に息子を乗せて7分位の園に預け、駅まで5分位で戻り、
1時間ほどかけて通勤し、時短勤務で17時頃に会社を出てまた迎えに行って帰宅するという
想像するだけでズーンと気持ちが落ちる日々だ。
きっと余裕のない毎日を過ごしていたに違いない。

もちろん、旦那も週に何度か登園やお迎えに協力してくれただろうが、
想像するに8割位は登園帰宅は私の役割になっていたに違いない。
夫は経営者なので会社員よりは時間に融通は効くものの
夜は深夜まで働く日々が普通、といった感じの生活だ。
(私も子どもを産む前までは似たような働き方をしていた)

一方、今は自宅から車で3分の園に預け、
大体17時頃にお迎え。私が仕事で遅くなる日は母が行ってくれることもある。
※先週は半分以上お願いした。

もちろん、こちらの保育園はすんなり入園できたうえに
保育園利用料はちょうど練馬区の時の半額位になった。

ちなみに、本格入園させる前に数カ月一時保育も利用したこともあった。
それは同じ園で1日2000円(おやつ、給食費込み)。
練馬区の一時保育サービスも活用していたが、そこは3時間で2000円だった上に、
予約はほぼ取れない状態だった。

何かあれば気兼ねなく公共の預かりサービスを活用できるのは
私自身ママとしても、母の看病をする身としてもありがたかった。

お勧めしたい理由②
子育ての幸せは掛け算。大変さは割り算に。

今実家暮らしをしているが、実家には母(58)と父(62)が同居している。
そしてたまに近くに住む祖父がごはんを食べに来たり、
近くに住む叔父叔母と顔を合わせている。

2歳の誕生日を祝って乾杯!

息子は先月2歳になった。子どもの成長は本当に早くて、最近は日を追うごとに
本当に小さいことだけれど出来るようになることが増えていく。
え?その言葉知ってたの?みたいな発見が毎日ある。
そんな息子の変化や成長を自分だけが気付くのではなく、父や母も一緒に気づき
喜ぶ日々が続いている。
自分一人でもそれは嬉しいし、夫と暮らしていたころはもちろん夫とも共有してきた。
それが今は夫だけでなく、母・父をはじめ周囲の親戚とも一緒になって喜べるので
嬉しさは2倍にも3倍にもなる。

先月、息子の誕生日を祝おうと祖父も招いて食事をした。
息子が一生懸命ケーキを食べる姿を見て、祖父が本当に嬉しそうな顔をしていたのが一番心に残った。

息子が2歳になって自分でおいしそうにケーキを食べているのも嬉しいし、
そんな姿を祖父に見せられることも嬉しいのだ。
体感的には幸せは4倍くらいになる。

誕生日を機に生クリームのおいしさに気づいてしまった。

一方、子育てはそんなことばかりでもない。
息子が信じられないタイミングで、信じられないような状態でコップの牛乳をぶちまける瞬間などが
まあ日常にある。

こんな時も、ワンオペ状態だったらため息しか出ない。
タイミングによっては怒りの感情も沸き上がりかねないだろう。

でも、あ~あと騒ぎながらすぐに布巾を持ってきてくれる母もいるし、
やっちゃったな、とティッシュで拭いてくれる父もいるし、
だから私は牛乳で服を濡らした息子を笑いながら着替えさえることもできる。

こういう瞬間の大変さも、体感的には4分の1位になる。

子育てには大人の目も、大人の手も、多ければ多いほどありがたいのだ。

お勧めしたい理由③
義実家との距離も縮まった

私たちは月1~2回のペースで会っているのだが、
東京に私と息子が行く場合、立地を優先して借りている夫の部屋は
1Kの間取りのため、動きたい盛りの息子が止まるのは狭くて難しい。

そのため、義実家に泊めてもらうことになり、
義実家への訪問頻度がかなり高くなった。
一般的には離れて暮らす孫と会うのは年1~2回位だろうと思うが、
こんな状態なので2カ月に1回、多いと1ヶ月に1回、義実家にお世話になっている。

私の家族だけでなく、関東に暮らす夫の家族やおばあちゃんとも
過ごす時間がぐっと増え、こちらでもまた幸せの掛け算が始まる。
息子を連れて移動するのは楽ではないが、
息子を可愛がってくれている義母やおばあちゃんの姿を見れることもまた嬉しい。

夫のおばあちゃん(息子にってはひいばあちゃん)と叔母さんと共に地域のお祭りへ。

お勧めしたい理由④
自然に近い環境に息子を触れさせることができる

私はもちろん田舎育ちなので、
夏は近所の湖で遊び、お祭りに出て、秋は虫をできるだけたくさん集めたり、
近所の子たちと鬼ごっこをしたり、泥でおままごとをしたり、
冬は雪合戦したり、そりで雪山を滑ったりして育った。
特に冬の登下校は厳しくて、鼻から息を吸い込むと鼻の水分がピキっと凍る感覚を覚えている。

自然には抗えないし、でも自然の中での遊びはめちゃくちゃ楽しかったし、
そういう感覚をここで育ちながら習得できたのは良かったと思う。

都会では土を踏む機会もあまりなくて、
冬は寒いけれど雪が降ることはほぼなく、夏は外で遊ばせるのが危険なほどの暑い。
もちろん、少し足をのばしてスキー場に行くとか、山に行くとかは出来る。
でもそこに対してお金と時間をかけずとも目の前にある自然を楽しめるのは
「何もない」田舎ならではのことだ。

雪遊びの楽しさももっと知ってもらえたらいいな。

息子にもここに暮らしている間にそんな自然の楽しさも・厳しさも感じてもらえたらいいなと思う。

お勧めしたい理由⑤
家事をシェアできるというありがたさ

子どもと遊んで、ごはんを食べさせて、着替えさせて、保育園に送り、
仕事して、迎えに行って、ごはんを作って、お風呂に入れて、薬を飲ませて、歯磨きして、寝せて。
子どもがいると1日のタスクが夫婦2人の時に比べるとぐっと増える。

日常生活を送るための、料理・掃除・洗濯・買い物といった家事に加えて育児。
毎日を普通に過ごしたいだけなのに、いつのまにか「TODO」に追われて1日が終わる。

そんな中で、家事をシェアしてくれる母や父の存在は本当に大きい。
料理も洗濯も、2人分も4人分もあまり変わらない。(量は増えるけれど)
でも、2倍大変になることはない。

家事を一緒にしてくれる大人の手があることで、
心の余裕は全く違う。

私は一時期このまま東京に暮らし続けるなら、会社同期の仲良しファミリーと隣に家を建てて
一緒に家事をシェアしたい、とか
家族ごとシェアハウスに住んで他人でもいいから家事や育児をシェアしたいとか
結構本気で考えていたので、
今はこの暮らしがありがたいし、心に余裕がある分はそのまま息子にそそぐ時間になるので
子どもにってもいいことなのかなと思う。

おわりに。

少子化なのに都市部では待機児童問題はしばらくは解消しない。

人口減になるならばより人と人は助け合う必要性・必然性が出てくるのではと思うけれど
マンションが立ち並ぶ都会にいても
よほど自分から仕掛け作りにいかない限り作れない。

都会に住み、心をどこかすり減らして過ごす日常と、
田舎に住み、心にどこか余裕をもって過ごす日常では
息子の目にうつる母の姿も違うのではと思っている。
今、家族をはじめ、関わっているお客様たちにも理解してもらい助けてもらい、
暮らせている毎日を大切にしていきたいと改めて思う。

そして何より、もしも私同様に、
帰れて助けてもらえる家族が地方にいて、
都会でワンオペ育児に心すり減らす方がいるならば
「里帰り子育て」も人生の一時期を生きる上での選択肢に入れてみてはと思う。

子どもの成長フェーズに合わせて、もしくは家族の中での優先順位の変化に合わせて
住む場所を変えたり、チーム分けを変えて生きていくということもまた
一つの生き方暮らし方ではないでしょうか。

かく言う私たちも、今は青森で一定期間暮らそうということで夫婦合意しているものの、
子どもが小学校入る前頃までに海外で子育てできたらいいね、といったようなことも会話しています。
何が起きるか分からない人生、だからこそその時期に自分の、自分の大切な人達の
「心」に素直に向き合い選択して歩いていけたらいいなと思う。

 

 

 

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